みなさんこんにちは。勤務医の後藤です。
暖かい春の日差しが感じられる季節になりましたね。
世間では、非常事態宣言が全国化され、より良い自粛を図っていきたいところです。
患者さまとお話をしていると、外に出れないから家で出来る新しい趣味を見つけたり、新しい事にチャレンジされている方もいらっしゃいました。自粛をポジティブに捉えていてとても良いことだと思いました!
本日は味覚障害のお話をしようと思います。
まず味覚とは、「甘味」、「酸味」、「塩味」、「苦味」の4基本味覚をはじめとする様々な味覚があります。この味覚を伝達するのが味蕾という味覚受容器です。
実は味を感じる組織は舌だけではありません。
味蕾は舌では表面の乳頭中に、軟口蓋・咽頭では粘膜直下に存在します。舌乳頭が何らかの原因で萎縮・減少すると味蕾の数も減少し、味覚が減退することとなります。
味覚障害には種々の原因が考えられます。
味覚障害の原因で多いのは亜鉛欠乏性味覚障害と薬剤性味覚障害、口腔乾燥が代表的です。
ほとんどの味覚異常は末梢性で、味の伝達を行う味蕾の減少・萎縮、さらには唾液中の非生理的物質が排泄され、それが異常な味物質として働くことにより生じます。
その他に心因性や、嗅覚が低下する風味障害、全身疾患、口内炎などや、味覚を伝える末梢・中枢神経の障害によっても起こります。
主要症状として
・味が薄い、わかりにくい(味覚減退・脱失)
・塩味など特定の味だけわかりにくい(解離性味覚障害)
・何を食べてもまずく感じる(悪味症)
・何も食べていないのに口の中に味がする(自発性異常味覚)
・においがわからないので味がわからない(風味障害)
といった種類があります。
味覚の働きとして、食べ物を識別し選択することにも役立っているため、生体恒常性を保つための重要な役割を果たしています。
味覚障害の治療については、原因に亜鉛不足が関係することが多いので、もっともよく行われるのが亜鉛補充療法です。補充療法中には月1回程度血清亜鉛値測定と味覚検査を行い、数値が改善しにくい場合は亜鉛を含むサプリメントを追加します。味覚の改善には1~2か月かかることが多いです。
口腔乾燥や鉄欠乏、ビタミンB群の欠乏が想定される場合はこれらの治療も併せて行い、漢方を用いることあります。
ひとえに味覚障害と言っても多くのことが考えられます。気になることがありましたらご相談いただくことをお勧めします。